バードフレンドリー®コーヒープログラム
渡り鳥が休息する森で生まれたコーヒーを「バードフレンドリー®コーヒー」と呼びます。
熱帯の森林を利用したシェードグロウン(木陰栽培)かつ有機栽培で生産されたコーヒーをプレミアム価格で買い取ることで、生産農家を支えなが ら森林伐採も防止し、そこで休む渡り鳥を守るプログラムです。コーヒーから生まれた収益は、このプログラムを創設したスミソニアン渡り鳥センターの研究調査資金として、世界中の渡り鳥保護・生態系保護のために利用されています。
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バードフレンドリーの歴史

1990年代後半、専門家によって北米と中南米を行き来する渡り鳥の減少が確認され、世界最大の学術研究機関であるスミソニアン協会が、調査研究・保護のため「スミソニアン渡り鳥センター」(SMBC)を設立しました。
鳥類学者・環境学者・地理学者が研究した結果、シェードグロウンを維持するコーヒー農園が渡り鳥の生息地となっていることを発見。1999年、バードフレンドリー®認証プログラムが始まりました。
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プログラムの規模
バードフレンドリー®認証を取得している農園は現在、12カ国、27農園(農協含む)に亘り、総農園面積は約7,000haにおよびます。
1,400の生産者(ラテンアメリカ+エチオピア)が9百万ポンド(4,000トン)の生豆を生産し、プログラム認定の第三者機関(OCIA、Mayacertなど)が認証を与えます。承認された生豆は、各国の輸入業者を通じ、31のロースターによって米国、日本、ヨーロッパ市場で販売されています。
※2017年3月現在
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シェードグロウン(木陰栽培)
コーヒーの栽培にはシェードグロウン(木陰栽培)とサングロウン(直射日光)があります。近年では低コスト化を図る大規模なプランテーション型経営が増え、一部地域で収穫の機械化が進み、木陰を作るシェードツリーが伐採されています。
森林に近いシェード(木陰)を保つバードフレンドリー®認証農園では、有機栽培で収穫もすべて手摘みと、とても手のかかる栽培をあえて実践していますが、木陰でコーヒーを育てることは、コーヒーが森林の恵みにより栽培されてきた歴史を考えると、伝統的かつ持続可能な農法といえます。
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バードフレンドリー®コーヒーの認証基準
バードフレンドリー®コーヒーの認証を取得するため、各コーヒー農園は大きく分けて2つの基準を満たす必要があります。
1つは有機栽培であること。もう一つは自然林に近い環境を保つシェードグロウンの独自基準です。これは、シェードツリーが農園の40%を覆っていること(地面から空を見上げた時、シェードツリーの枝葉に40%覆われていること)、11種類以上の樹種で構成されていることが求められます。加えて、シェードツリーの高さにも基準が設定されており、60%が12メートル以上の中木であること、20%が15メートル以上の大木であること、小木が20%あることと定められています。つまり、農園のシェード(木陰)の構造が自然林に類似していなければならないのです。
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木陰に集まる渡り鳥たち
1年間に約5億匹の鳥たちが、冬を越える為、食事の為、子孫を残す為に世界中を旅すると言われています。しかし、自然環境が破壊される事に伴って、渡り鳥がどんどん減少しました。
研究結果によると、森林・シェードグロウン農園では通常の農園に比べておよそ2倍の種類の動物が生息すると言われています。
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キマユアメリカムシクイ
- 繁殖地
- :米国(北東部)、カナダ
- 避寒地
- :コロンビア、エクアドル、ペルー
- 特徴
- :コーヒー農園含むアンデス山脈1000~3000メートル)に多く見られる

シロクロアメリカムシクイ
- 繁殖地
- :米国、カナダ
- 避寒地
- :メキシコからペルーの中南米各国、カリブ海各国
- 特徴
- :白黒の縞模様が美しく広範囲に生息する渡り鳥

ノドアカハチドリ
- 繁殖地
- :米国、カナダ
- 避寒地
- :メキシコからコスタリカまでの中米各国
- 特徴
- :体長約8センチながらもメキシコ湾をノンストップで飛来